(画像引用:S7 Airlines | Купить авиабилеты онлайн)
かつてはシベリア航空と呼ばれていたロシアのS7航空(エスセブン航空)、最近では関西⇔ウラジオストク線を開設することを発表し、日本での注目度が高くなっている航空会社です。使用されていた2レターコードを、そのまま航空会社の名称およびブランドにしてしまったという面白い名前の会社です。
成田空港からは、モスクワ、ウラジオストク、ハバロフスクと就航していますが、あまり情報がありません。東日本からしたら一番近い国なのですが。
おそらく旅行者にとって馴染みがないのは、ビザが関係しているのだと思います。ロシアはビザの要件が比較的厳しく、自分ひとりで領事館などに申請するのはかなりハードルが高いそうです。多くの方はロシアビザ代行会社に頼んでいるのが実情だと思います。Google検索で「ロシア ビザ」などで検索をすると様々な代行業者の案内が出てきます。
しかし、2017年1月1日からロシアビザの発給要件が緩和されました。これは一般的な観光ビザというより、期間内に何度も訪問できる「数次ビザ」の緩和なので、普通の旅行者にとってあまり関係のある話ではないのですが、それでもいずれは事前の煩わしい書類無しで渡航できるようになるかもしれません。
今回はロシア特にS7航空について紹介していきたいと思います。
JALはS7航空特典航空券のディスカウントマイルキャンペーンを実施
さてこのS7航空、JALマイレージバンクの会員であれば特典航空券を使うことでかなりお得に乗ることができます。
というのも2013年10月1日から継続して必要マイル数のディスカウントキャンペーンをしており、その割引率もかなり高いものとなっているからです。
下の表を見て頂くと、特にお得な場合は総旅程距離が1~1,000マイルの場合と2,001~4,000マイルの場合であることがわかります。
もちろん、総旅程距離が1,001~2,000マイルの場合も、本来は20,000マイルが必要なところ11,000マイルでいいのでお得ではあるのですが、わずか1,000マイルを追加するだけで、旅程が2倍になるので2,001~4,000マイルの旅程を12,000マイルを使って発券するのがいいと思われます。
それでは、S7航空でどのような旅程が組むことができるのか考えてみましょう。
S7航空のハブ空港は3空港
旅程を組むためにはS7航空の就航都市について考えなければなりません。
そこでS7航空の公式サイトで調べてみることにしました。
トップページからInformation、Routesとページをめくり調べてみます。
ハブとなる空港は3空港で、モスクワ、ノヴォシビルスク、イルクーツクのようです。
モスクワからの就航都市
ノヴォシビルスクからの就航都市
イルクーツクからの就航都市
このS7航空で旅程を組む場合、この3空港が重要となってきますが、成田から就航しているのはモスクワだけです。
ですので、モスクワ以外のハブ空港に行くために、ウラジオストクかハバロフスクを経由する必要があります。
関西、成田からS7航空が就航しているウラジオストクからの就航都市
成田から就航しているハバロフスクからの就航都市
さてこれらの情報からどんな旅程がお得なのかを考えていきます。
目的地としては、ロシア国内になりそうです。というのもウラジオストクやハバロフスクを経由してアジア各都市に行くメリットは正直あまりありません。というのも最近は航空券の価格も安く、バンコクなども往復3万円などで行けることもあります。わざわざここでJALマイルを使う意味はありません。
カムチャッカ半島が面白そう
ウラジオストクから行ける「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」という都市が面白そうです。カムチャッカ半島は自然がそのまま残っているそうで、火山などの大自然が広がっているそうです。カムチャッカの火山群は世界自然遺産に登録されています。
(画像引用:驚くべき神秘的光景、火山から流れ出た温水で氷河に形成された、Mutnovsky火山氷の洞窟(ロシア カムチャッカ半島) : カラパイア)
このカムチャッカ州にあるペトロパブロフスク・カムチャツキーのエリゾヴォ空港(PKC)に行くためにはウラジオストク経由で行けそうですが
片道で2,000マイルを越えてしまうので、あまりお得ではありません。
TYO-VVO-PKC-VVO:12,000マイルで発券(総旅程距離4,000マイル以下)
VVO-TYO:5,000マイルで発券(総旅程距離1,000マイル以下)
と発券できないこともないですが、17,000マイルが必要です。
大阪発着を考えてみますが
マイルは片道2,000マイルを越えてしまいます。ここではOSA-VVOの区間マイルはJALのサイトに登録されていないようで、S7航空の公式サイトで、OSA-VVO-PKCの総飛行距離を調べています。
ちなみにウィキペディアのエリゾヴォ空港 - Wikipediaを見ると就航都市としてハバロフスク(KHV)が書いてあり、
こういう旅程が組めれば、総飛行マイル数は
となり、往復4,000マイル以下の旅程で12,000マイルで発券できそうですが、現在ではKHV-PKCという路線はないようです。
では苦肉の策として東京から出発して、ソウルで旅程を終えてみることにします。
TYO-VVO-PKC-VVO-SELで旅程は4,000マイルをきります。
大阪発でも問題はなさそうです。ソウルから別切り航空券を手配しないといけないですが。
総飛行距離4,000マイルというのは絶妙な設定ですね。
これまでは、往復4,000マイルという特典航空券を次に片道4,000マイルという旅程を考えてみます。
片道4,000マイルで行ける都市
ウラジオストク(VVO)、イルクーツク(IKT)経由で片道4,000マイルで行ける範囲を明るくしています。図を見ていただけるとわかるようにTYO-VVO-IKTの往復は4,000マイルを微妙に越えてしまいます。大阪発でも4,000マイルを越えてしまいます。
やはり4,000マイルというのは絶妙です。
イルクーツクより北か、少し西に行くロシアの都市に行くのには良さそうです。
片道で12,000マイル必要なので、往復で24,000マイルになります。
ウラジオストク(VVO)の後にノヴォシビルスク(OVB)を経由するとアラル海の手前まで行くことができます。キルギス、タジキスタンそしてウズベキスタンの一部までは行けそうです。
こちらも往復24,000マイル必要です。
頑張ってヨーロッパまでS7航空で
いままでは4,000マイルで往復、4,000マイルで片道の旅程を考えてみました。
しかし、4,000マイルの旅程を3回使えばヨーロッパまで行けそうです。
必要マイル数は12,000マイル×3で36,000マイルとなります。
36,000マイルでヨーロッパまで往復できるのってかなりお得であると思います。しかも途中でロシアの各都市で降りることだって出来ちゃいます。
試しに旅程を作ってみました。
どうでしょう、シベリア鉄道を彷彿とさせますね。
S7航空、各駅停車の旅といったところでしょうか。
まず、12,000マイルを使って東京(TYO)ーウラジオストク(VVO)ーノヴォシビルスク(OVB)ーエカテリンブルク(SVX)まで飛びます。
ここまでで3,848マイルです。4,000マイルをきっています。
次にエカテリンブルグ(SVX)からモスクワ(MOW)を経由してヨーロッパの都市に向かいます。ここで注意しないといけないのは片道2,000マイル以内に収めることです。例えばミュンヘンを目的地にすると片道2,000マイルを越えてしまいます。
目的地をベルリンにしてみました。
エカテリンブルクから東京までの帰路は往路と一緒です。
さいごに
(画像引用:S7 Group Will Cooperate With Singapore Airlines :: Russia-InfoCentre)
S7航空をJALマイルでお得に発券する方法をまとめてみました。
これらの旅程はあくまで理論的に考えられる旅程で、JALマイレージバンクに電話をして実際に発券できるかを確認したものではないです。参考程度にしていただけると幸いです。
しかし、比較的JMBのルーティングは自由ですのでこのように面白い旅程は作りやすいと思います。
また、日本からハバロフスク、ウラジオストクはデイリー運航ではなく、
成田⇔ウラジオストク(週3往復、火、木、土)
成田⇔ハバロフスク(週2往復、火、金)
であり、2017年4月28日から就航予定の関空⇔ウラジオストクは
関西⇔ウラジオストク(週2便、水、金)
となりますので、ルーティングの際は注意してください。