2016年の年末あたりから、話題になっていたアラスカ航空とヴァージンアメリカの統合。
その前にはJALとアラスカ航空の提携。
そして2017年の夏スケジュールからジャカルタ線の機材変更およびFクラスの廃止。
これらの条件が重なり、アラスカ航空のマイレージプログラム「マイレージプラン」でジャカルタ線の疑似的な往復旅程を発券することにしました。
その経緯と経過を報告します。
JALのアラスカ航空の提携
(画像引用:Alaska Air Group 2015 Sustainability Report | Alaska Airlines)
まず、2016年5月10日JALとアラスカ航空の提携が発表されました。
アラスカ航空は航空アライアンスには加盟していませんが、独自に多くの会社と提携しており、今は改悪されてしまったものの、エミレーツの特典航空券が比較的お得に取れるということで航空会社の規模の割には世界的にも有名なマイレージプログラムでした。
そしていよいよ2016年秋に、アラスカ航空のマイレージプランのマイルを使ったJALの特典航空券の詳細が発表されました。
比較的どこの区間でもお得な条件だったのですが特にお得だったのは、アジア内の移動
以下1,000をkと略記しまして
エコノミーは1.5k
プレミアムエコノミーは1.75k
ビジネスクラスは2.5k
ファーストクラスは3.0k
になります。
これは片道の必要マイル数ですが、疑似的な往復旅程を作ることができます。
割と多くのブログなどで拝見したのは、海外発日本経由海外着の旅程です。
これの場合発着どちらかをジャカルタにすることで、3万マイルでファーストクラス1区間とビジネスクラス1区間に乗ることができます。
デリー発東京経由ジャカルタやバンコク発東京経由ジャカルタ(もしくはその逆区間)などか比較的お得な発券方法だと思います。
しかし、この場合デリーやバンコクまで行かないとダメですし、ジャカルタから自力で帰らなくてはいけません。
いくらお得でも、余計な出費や時間がかかるのではどうしてもためらわれてしまいます。
もちろんこのような旅程のメリットとして、自分で片道航空券を2枚買えば(例えばこの場合だと、日本→バンコク、ジャカルタ→日本)2回の旅行を組むことができます。ただ片道航空券は有償で買うと高いので、結局はマイルによる特典航空券を使うことによりルーティングが難しくなりそうですが…
そこで、海外発日本経由の海外は選択肢としてなかったのですが、ブログを漁っていたら興味深い記事を見つけました。
なんと日本発海外経由日本着という旅程でも発券できるようです。
参考にしたのはこちらのブログです。
たとえば、伊丹発ジャカルタ経由成田とすることで、成田⇔ジャカルタのファーストクラス往復に乗ることができ、しかも伊丹→成田の国内線(接続のいいJL3002便はかの有名な国際線使用機材の777-300)にも乗ることができます。運が良ければ3区間ファーストクラスの座席に座ることができます。もちろん国内線区間はクラスJのサービスなのですけれど。
また成田⇔ジャカルタは1日2便運航していますが、そのうちファーストクラスの設定があるのは各1便で成田発のJL725便とジャカルタ発のJL726便になります。
実際にマイレージプランの特典予約画面を見てみると、確かにこのような旅程が出てきます。
どうやら発券は可能のようです。これなら日程も必要最低限で済みますし、海外までの別切り航空券を用意する必要もありません。調べているうちにJALのファーストを体験してしまいたくなってしまいました。そして次第に「マイレージプラン3万マイルを貯めなければ!」と思うようになってしまいました。完全に中毒状態です。
ちなみに東京発ジャカルタ往復のファーストクラス正規料金は905,000円です。
税金が4,000円ほどかかるので、全部で91万円になります。
お得であることは間違えないですね。
アラスカ航空のマイルをどうするか
(画像引用:Find airline tickets, low airfares, and discount flights | Alaska Airlines)
JALファーストに乗りたい!と思ったもののマイレージはありません。そこで3万マイルをどのように貯めるかを考えていきます。
どうやら調べてみると、アラスカ航空のサイトから買えるようです。
ちょうど調べていた時にはマイル購入セールをやっていました。
しかしアカウント開設から30日以上経過していることが条件なようです。
その時点ではアラスカ航空のアカウントを持っていませんでしたのですぐに作ります。
アカウントを開設してからセール情報を見てみましたが、安くはなっていますが結構高いです。3万マイル全部を購入しようとしたら886.88ドルほどかかってしまいます。日本円にすると10万円くらいでしょうか。さすがに国際線ファーストクラスに2回乗れるといってもこの値段だとためらわれてしまいます。
そこでほかの手段がないか調べてみました。
SPGのスターポイントは多くの航空会社のマイルに交換することができる有名なホテルポイントですが、これはアラスカ航空に変換することもできるようです。
2万ポイント移行するごとに5000マイルのボーナスを得ることができるので、20,000ポイントが25,000マイルになります。変換率を最適化するためには2万単位の移行が必要ですが、3万マイルを得るためには25,000ポイントを移行しなければいけません。
たとえば
20,000SPGスターポイント→25,000マイルの変換率は1.25mile/SPGpoint
ですが
25,000SPGスターポイント→30,000マイルの変換率は1.20mile/SPGpoint
となっています。
またこの時点で僕は3万SPGポイントを保持しており、2万5000ポイントを移行すると中途半端な5000ポイントが残ってしまうという問題点もありました。
たとえば1万マイル残っている場合ですと、1年間の購入上限が3万ポイントですので、3万ポイント買い足すことにより、4万ポイントとなり2万の倍数となります。
ここがネックとなっていたのですが、驚くべきニュースが入ってきます。
それがアラスカ航空によるヴァージンアメリカの買収でした。
アラスカ航空によるヴァージンアメリカの買収
2016年4月4日、アラスカ航空は26億ドル(約2900億円)で買収することを発表しました。しかしその後買収は米司法省が待ったをかけて、ずるずると長引きました。それがようやく12月14日に正式に合併を行いました。
そこからとんとん拍子でポイントの移行比率がヴァージンアメリカ(VX):アラスカ航空(AS)=1:1.3となり、2017年1月9日から移行できるようになりました。
しかしこういったポイントの統合には難しいようで、それまではSPGのスターポイントからヴァージンアメリカのマイレージへも移行できました。
つまり、この統合によりSPG→ASとポイントをマイルに移行するよりもSPG→VX→ASとヴァージンアメリカのマイレージプログラムElevate(エレベート)経由で移行したほうが3割ほど特になるという計算になります。
このルートを通ると最終的に2万SPGポイントはアラスカ航空の32,500マイルにすることができ交換比率を1.625マイル/SPGポイントまで高めることができました。
もちろんアラスカ航空側もこういったルートは認識していたと思いますので、時期を置かずにこのボーナスルートは1月6日までと公表しました。
つまり現時点ではSPGからヴァージンアメリカへの移行はできません。
まとめますと、1月6日までにSPGのポイントをヴァージンアメリカに移行して、1月9日以降にアラスカ航空への移行した人がこの恩恵をあずかることができました。
ジャカルタ線の機材変更およびFクラスの廃止
そしてこれらの統合と同時に去年の秋くらいから、ある情報が噂されます。
2017年の夏スケジュールからジャカルタ線の機材が小型化して、ファーストクラスの設定がなくなるのではないかという噂です。
というのも2017年春以降のファーストクラスの予約が取れない状況が続いていたそうです。
ファーストクラスの設定路線の中で唯一のアジア線、そして最も距離が短い路線ですので、ここで乗れなければもう乗る機会はないかもしれません。
欧米線にもファーストクラスの設定はありますが、基本的に特典航空券での予約を取ることは困難です。1年前とかから予定を組んで予約しなければなりませんからね。
今回みたいにいくらか候補があって予約できるという感じではないですね。
最もJALマイレージバンクでも、ジャカルタ線は基本的にファーストクラスでも空きがあり、マイルを使えば2席とかでも取ることができるという状態が続いていたそうです。
そこで、いよいよFクラス廃止の現実味が帯びてきた1月にいよいよ発券したというわけです。
実際に、今月羽田⇔ニューヨークJFKが開設されることが決まり、1日2便飛んでいる東京⇔ニューヨークがともに77Wでの運用となり、ファーストクラスが設定されます。そしてその代わりに、1日2便のジャカルタ線が787と767での運用となることが発表されました。
噂が現実になってしまったので、1月初旬に発券しておいて良かったです。
いよいよJALファーストクラス発券
それでは具体的な発券方法について見ていきましょう。
アラスカ航空のマイレージプランにログインしてMileage PlanよりBook Awardを選択します。
現時点でマイルを持っていなくても検索をすることはできます。
例えば2016年2月3日で検索してみましょう。
まず、左側のタブがRound-tripになっているのでMulti-cityのタブをクリックします。
そしてDeparting flightを同じ日程にして(というのも日本発の旅程で海外ストップオーバーはできないようです。おそらく利用者の多いであろうTYOストップオーバーは可能です。)
From ITM(大阪伊丹)To CGK(ジャカルタ)
Connecting flightの部分に
From CGK(ジャカルタ)To TYO (東京)
とします。そしてFIND FLIGHTSのボタンをクリックすると旅程が出てきます。
ファーストのタブを押しましょう。
すると
ITM to NRT Business
NRT to CGK First
CGK to NRT First
と出てきます。
この後、所持しているマイルが必要マイルに達していると、旅行保険の有無などを聞かれクレジットカードの情報を入力して終了です。
この保険は病気などで旅程をキャンセルしても代金が返ってくるといったことが書いてありますが、詳しくは読んでいません。場合によってはかなり助かる場合もあると思います。
日程によってはこの予約の最後の最後で弾かれたりします。直前に席がなくなってしまった場合などが当てはまるのかもしれません。
クラスが混在していますという注意書きが出てきますが、伊丹から成田はクラスJと普通席の2クラスしかないのでBusiness=クラスJですからこのようになります。
しかし、2017年の1月時点でこの便は77Wの国際線使用機材ですから運が良ければファーストクラスの座席に座ることができます。
マイレージプランの簡単なルールとしては変更に125ドルがかかります。(ゴールド会員は無料)
サーチャージなし。ただし提携航空会社の航空券の発券には12.5ドルの手数料がかかります。
提携航空会社同士の組み合わせは不可でJALとキャセイパシフィックなどの組み合わせはできません。
さいごに
今回の事の発端は、アラスカ航空とJALが提携したことでした。
アラスカ航空でのJALの特典でアジア内ファーストの必要マイル数が片道3万マイルと低かったこと。比較的ルーティングが自由で疑似的な往復旅程を作れたこと。航空会社の統合によりお得にポイントを増やすことができたことなどが重なったことが幸いでした。
しかし、お得な案件は多少のリスクも付きまといます。今回の場合ですとアラスカ航空の支店が日本にはないので何かあった場合、英語でコールセンターにかけなければなりません。
ただ、そのような不安要素を上回るお得情報がありますので、日々インターネットをチェックしていきたいですね。